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認知症の分類

1.アルツハイマー型認知症 最も頻度が高い。当初、身体症状はなく見た目には元気そのものなのに、何かトンチンカンなことを言ったりやったり失敗したりする。物忘れが目立つようになり、忘れに伴う失敗が増える。しかしそれに先行すること数年前から、何かおかしいと本人は異変を自覚している。病気が明らかになる頃、人が変わったと印象をもたれ、怒りっぽくなったり、だらしなくなったりする。顔つきも変わってくる。脳CT・MRIで海馬回委縮が見られる。 2.レビー小体型認知症 パーキンソン病が始まったかのような身体症状で始まる。体が硬くなり、転倒しやすく、幻視幻覚を訴える。当初、身体症状の割に物忘れが目立たない。アルツ...

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認知症と間違えやすい疾患③精神病

1.うつ病 高齢者に発病したうつ病と認知症を鑑別するのは難しい。しかしきっかけを聞くと、うつ病には配偶者との死別や引越し・定年等はっきりとして理由があることが多い。環境の急変は患者にとって大変なストレスで、高齢者にとっては耐え難い。治療は早期の抗うつ剤投与である。 2.統合失調症 高齢者に発病する統合失調症はきわめて稀で、他の原因が隠れていることが多い。多くの場合無症候性脳卒中や脳腫瘍・慢性硬膜下出血等である。高齢者の統合失調症は、若い時から既に発病していた疑いが強い。抗精神薬に抵抗し、大量投与が必要となる。

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認知症と間違えやすい疾患②内科疾患

1.ビタミンB群欠乏症(B1,B2,B6,B12,ニコチン酸) 長期間アルコール多飲を続けてきた人は、慢性的にビタミンB群が不足していることが多い。このため物忘れや振戦(ふるえ)・知覚障害が見られる。ビタミン剤投与が必要。 2.甲状腺機能低下症 顔色が白く、活気がない等、うつ症状と間違えやすいが、四肢に浮腫(むくみ)があり、胸水(胸膜腔に液体が異常にたまった状態)を伴う慢性心不全を合併しやすい。血液検査で甲状腺ホルモンの低下を認め、治療はホルモン剤投与である。 3.透析中の高カルシウム血症 透析患者によくみられる合併症で、ぼやっとして活気がなく、認知症が始まったみたいに見える。カルシウム値を下...

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認知症と間違えやすい疾患①脳血管障害

脳血管障害 1.脳梗塞・脳出血 物忘れや頭がぼーとする、足元がおぼつかない、尿失禁した等の症状がある日突然起きた時、脳血管障害を疑う。他に運動麻痺・知覚障害・言語障害・誤嚥等の急におこったら、すぐに脳CTをやる必要がある。発症から3時間以内の脳梗塞ならt-PA(血栓溶解薬)治療で麻痺が回復することもある。 2.慢性硬膜下血腫 数カ月前に頭部外傷の既往はないだろうか。足元がふらつく、急に立てなくなった、尿失禁等がみられたら、この病気を疑う。穿頭血腫除去手術を行えば、直ちに回復する。 3.正常圧水頭症 くも膜下出血後の多いが、原因不明のものもある。症状は上記慢性硬膜下血腫と似ている。脳CTで脳室拡...

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まずは認知症を定義しよう

認知症とは、少なくとも人生の大半を知能低下も半身麻痺もなく過ごし、人生の後半になってから徐々に物忘れ等を呈する病気である。生まれつきの知能障害や精神発達障害例えばダウン症を認知症とは呼ばない。精神病や脳に傷ついて起こる頭部外傷や脳血管障害も除外される。高齢者に物忘れ、ぼーとしたりやる気がない、活気がない、食欲がない、失禁した等の症状をみた時、それがいつからおきたのか、急におきたのかゆっくりなのか、等を考慮して、まずアルツハイマー型認知症以外の病気を疑うべきである。

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再び認知症の話

認知症はちょっと前まで痴呆・ぼけと呼ばれていた。小説の中に恍惚の人として登場もした。多くはぼーとしたやる気のない老人をイメージする。しかし近年、認知症は単一疾患ではなく、多くの病気でみられる一症状とわかってきた。それを特徴とする病気の一つがアルツハイマー型認知症である。 以前は日本人にアルツハイマー型認知症は少なく脳血管性認知症が多いと信じられてきたが、研究が進むにつれて欧米と同じくアルツハイマー型認知症が最も多いとわかった。それどころかちょっと前までは専門家以外名前も知らなかったレビー小体型認知症が意外に多く、ピック病ですら珍しくないことがわかってきた。今までは原因のわからぬものまで含めて老...

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学習効果をあげるスモールグループに於ける役割分担

例えば5人一組で一つの研究テーマに取り掛かるとする。5人がバラバラに研究しても、同じ事を繰り返したり、誰もやっていなかったりと無駄が多い。そこで5人の役割を定める。一人は厳しく叱咤激励する鬼軍曹タイプの役、また一人はいいところをほめて気分よくさせる役、場の雰囲気を盛り上げる宴会屋タイプのムードメーカー役、時々水をさす冷静な役、皆から少し距離を置き方向性を見失わない観察役、である。この役割を意識して各自研究に取り掛かると、5人がばらばらに研究していたときに比べ、格段の進歩が見られる。これを原田メソッドという。

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自分の役割を演じる

「どんな人にも天から与えられた役割がある」 昔の小学校のクラスを思い出して欲しい。そこには勉強の出来る子とできない子、皆の人気者と嫌われ者、いじめっ子といじめから守る頼もしい子、目立つ子と目立たない子がいた。この構成は中学高校大学と進んでも同じだが、必ずしも役割が同じだとは限らない。小学校の人気者が、大きくなるにつれて目立たない子になったりもする。 社会においても集団の役割分担というものがあり、誰もが無意識のうちに何らかの役割を果たしている。社会に出ると一見複雑に見えるが、この役割分担が重なり合ったものである。一見複雑に見える人事構成を5つぐらいの役割に単純化してみると、社会構造がはっきりと見...

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シリーズ「なぜ医療崩壊がおこったのか」⑨国民の無関心が官僚の無策を許し政治家を無能にした

世の中で不都合が起きたとき、国民は政治家を通じて批判し、政策を変更するのが民主国家である。しかし、わが国ではこのシステムが機能していない。本来民主主義は多数意見を反映するから、声の大きいものに従うのは当然。しかし実際は多数でない一部意見に左右されている。原因は国民の政治無関心にある。結局一部の熱心な支持者の応援を受けた政治家が、自分の当選を確保するために政策をゆがめている。役人は保身のために、力のある政治家の顔色を伺う。だから誰もが自分の意見を述べ、政治家を通じて力を行使しなければならない。そして皆のエゴがぶつかり合い、話し合いの中からよい政策が生まれる。

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シリーズ「なぜ医療崩壊がおこったのか」⑧医療福祉介護における大きな政府と小さな政府

政治は、自由のない封建制度から平等公平を図る時代へと進み、今や先進国では個人の自由を出来る限り認める時代に入った。個人の自由を認めるには、政治的に成熟した国民の存在が不可欠であり、相応の義務を果たさなければならない。この条件を満たしているのは欧米先進国ぐらいである。アメリカは政府の役割を極力小さく抑え、出来る限り自由競争を促す。これを新保守主義とか市場経済至上主義と呼ぶ。いわゆるグローバリズムという考え方で、弱肉強食つまり勝者先取り方式である。この考え方を小さな政府と呼ぶ。 一方北欧に代表される欧州諸国は、地域コミュニティー重視の考え方から個人の自由を制限してでも平等公平を優先している。高い税...

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