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日本のしきたり ⑭七夕

日本には、棚機津姫(たなばたのつめ)という機織りをする女がいて、そこに天から神様が降りてきて一目ぼれして一緒になった、という伝説がある。たぶん、平安貴族の夜這いだろう。中国にも、牽牛と織姫の仲の良さにやきもちを焼いた神様が二人を引き離し、1年に1回だけ7月7日に会わせることにした、という伝説がある。この二つの話の合作が日本の七夕伝説になる。五色の短冊は、5種類の供え物を意味する飾りつけである。けっして願い事を書く神ではない。

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日本のしきたり ⑬端午の節句

端午の節句に当たる5月5日は、日本ではもともと女の子の祭りだった。旧暦5月は田植えの季節で、早乙女たちが田植えの前に、身の穢れを清めるため仮小屋に籠ったことに由来する。ここで邪気を払うと信じられていた菖蒲やヨモギを摘み、軒下に吊るしたり、菖蒲湯を沸かして湯あみつまり行水をしていた。生理中の汚れが田んぼに落ちないようにするためである。武家社会になると、菖蒲は勝負に通じることから男の子の祝い事に変化した。魔除けに使われていたヨモギの人形も、女の子から武者姿に変化した。「鯉は龍門を昇り龍となる」の中国の故事から転じて、鯉のぼりがあげられるようになった。

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日本のしきたり ⑫清めの塩

日本は古来より、塩には不浄や穢れを祓う霊力が宿っていると考えてきた。神聖な場所を清めたり、供えたりした。塩は貴重品で、生きていく上に欠かせない。塩漬けにすると食べ物が腐らずに日持ちする。塩に不思議な力があるからだと信じられてきた。家を建てるときも、地鎮祭には塩を撒く。いつまでも家が腐りませんように、との願いが込められている。上杉謙信は武田信玄に塩を送った。「敵に塩を送る」の故事である。戦争中の相手でも尊敬し、塩不足で勝ったと言われたくない、あくまでもいくさで勝負をつけたかったのだという。後日、信玄は京都上洛目前で死亡する。脳卒中であったといわれる。塩のせいか。

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日本のしきたり ⑪手締め

宴会の最後に景気づけのためにと言って、「お手を拝借、よーお」と掛け声をかけて、三・三・四拍子を三回繰り返すことを三本締めという。しかし元々の意味は、やくざ同士の抗争の手打ちの儀式である。和解する時、手に刃物を持ってないか、持ってないことを証明するために両手を見せ、何回も拍手してみせた。大相撲で力士が土俵に上がるとき、両手を広げて見せるのも同じ意味である。もめてもいない者同士が、最後に三本締めをするのはおかしな習慣である。

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日本のしきたり ⑩大安仏滅

古代中国の六曜という暦に基づく呼び方。これをもとに諸葛亮孔明は戦争の吉凶を占った。大安とは一日中吉、仏滅とは一日中凶、赤口とは正午のみ吉、先勝は午前のみ吉、先負は午後のみ吉、友引は正午のみ凶でそれ以外は吉、である。江戸時代に日本に伝わると、これが変化して今の様な考え方になった。だから葬式の日取りに友引を避ける意味はなく、結婚式なら良いわけでもない。正午に始まる友引の結婚式は危ない。結婚も戦争の一つならば。

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日本のしきたり ⑨年忌法要

死後満一年を経た命日に法要を営み、死者の冥福を祈ることを年忌法要と呼ぶ。翌年は一周忌で二回忌に当たる。翌々年は三回忌と呼ぶ。12年後は13回忌、32年後は三十三回忌と呼ぶ。神道には輪廻転生の考え方がないので、死後年数を重ねるたびに魂は浄化し、先祖霊と交わって高級化し、神になると考えられている。神道では、死ねばみんな神になる。

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日本のしきたり ⑧忌中と忌明け

死者を出した家族は一定期間喪に服す。死亡当日から初七日までを忌中、四十九日までを喪中とし、五十日すぎから喪が明ける。忌明けを呼び、正常生活に戻る。喪中期間中は喪服を着続けるのが習わしだったが、今は廃れている。喪中は社交行事や祝い事に参加せず、生ものを口にしない。正月行事や神社参拝も控える。しかし今では厳密に行われることは少なくなった。

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日本のしきたり ⑦位牌

故人の戒名を記したものを位牌と呼ぶ。遺族が個人の供養の際に死者の霊と対面するための仏具である。葬式の際は戒名を白木に墨書したものを用い、四十九日の忌明けからは漆塗や金箔塗の位牌に替える。位牌は仏壇に安置し、毎日対面するか、菩提寺に預けて寺位牌とする。神道では○○命(女は姫命)と記し、生年月日を記した白木を御霊代「みたましろと呼び、これが位牌に当たる。

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日本のしきたり ⑥戒名

戒名とは仏教における僧侶階層の僧名にあたる。生前から入門して修行を重ね、僧侶としての名前を与えられることを得度という得度している者はあらためて戒名をもらう必要はない。宗派によって法名、法号、法諱と呼ぶ。日本のように戒名を高いお金を出して買うような習慣は世界中どこにもない。神道なら、男性は○○命、女性は○○姫命と神官によってつけられる。

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日本のしきたり ⑤焼香

昔はドライアイスも冷蔵設備もなかったので、夏の暑い季節には遺体が腐敗して悪臭を漂わせた。この臭いを消す目的で、毒草であるキシミの葉を練って乾燥させた線香を燃やした。焼香とは遺体が腐らないように、臭いがしないようにするための習慣である。焼香の回数は何回でも構わないが、その目的が臭い消しだから、今なら1回で充分だろう。僧侶は自らの好みの抹香を持参し、読経中は香りを絶やさない。僧侶の格式により高級な抹香が用いられる。一般の人も気の利いた人は自分の抹香を持参する。

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